実に久々に「文化系トークラジオLife」のオンラインイベントに登壇。
テーマは「春の勉強大作戦!」だ。話したいことがいっぱいある。うんうん。

そもそも、なぜ勉強するのか。「学び直し」というけれど、実は「学び始め」なのではないか。「勉強」というけれど、人によって想起するもの、湧き上がる感情が違わないかなど。みんなと楽しくおしゃべりするつもりだ。うんうん。
↓「やり直し」がテーマだった回におくったメールを公開。楽しみ。
皆さん、こんにちは。
「若き老害」こと常見陽平です。もうアラフィフなのですけど、まだまだ老害界では若手です。
今回のテーマが「いま“やり直し”を考える」だったので、居ても立っても居られなくなり、メールをしました。
思えば、私がLifeに初出演したのは2012年の3月で、ちょうど会社員をやめ、大学院に入り直し、人生をやり直すタイミングでした。その後、ラッキーなことに、希望通り40代は大学教員、評論家としての人生を歩むことができました。もっとも、「やり直し」が上手くいったようで、「やり直し方」には反省がいっぱいです。大学院では勉強に集中するはずが、人生でもっとも働いた期間になってしまいました。
「リスキリング」に代表される、現在の国をあげての「学び直し」ムーブメントには警鐘を乱打したくなります。誰のための、何のためのものなのか、巧妙にぼかされ、すり替えられています。個人のためを装って、実はもっとも得をするのは会社と社会ではないでしょうか。
実際、日経の「リスキリング」記事などはよく読むと、スキルではなくマインドの話もまざっており、企業内でDXに関する講演を聞いたレベルのことを「リスリング」と呼んでしまっています。
「学び直し」と言いつつ、実は「学び始め」ではないか。「学ぶ」のか「教わる」のか。そして「成長する」のか「身につく」のか。言葉遊び、揚げ足とりのようで、ツッコミどころは満載です。
結果として00年代、10年代のビジネス書ブーム、自己啓発ブームと同じ道をたどるのではないか。「学び直し」が「強迫・脅迫」になってしまってはいけません。勝間・香山論争を思い出してしまいました。
教員として、学生と一緒に日々取り組んでいるのは、青春のやり直しです。いや、この3年間は空白ではありません。その歩みを確かめつつ、たとえば3月13日からマスクが個人の判断となる中、すっかり心のマスクをしてしまって、前に進めなくなっている学生たちの背中をおしたいです。
今日のリクエスト曲はthe pillowsの「Funny Bunny」です。毎年、学部の卒業生のために、卒業ムービーを私がつくっているのですが、今年はこの曲を学生たちと一緒にレコーディングし、これをバックに4年生の歩みを紹介する予定です。「君の夢がかなうのは誰かのおかげじゃないぜ」風の強い日を歩まざるを得なかった彼ら彼女たちに捧げたいです。できれば、私たちがレコーディングしたこのバージョンで。つたないところもありますが、学生の声がナイスで。彼ら彼女たちのレコーディングにプロデューサーとして協力し、私も前向きになりました。今日の放送、楽しみにしております。