
新型コロナウイルスショックは、言うまでもなく音楽に影響を与えている。昨年はフェスやライブの中止、延期が相次いだ。現在も、人数制限、発声の禁止、まん延防止策や緊急事態宣言の影響による酒類の提供中止(ライブハウスの売上などに影響する)、終演時間の制限などが行われている。
先週末、日本を代表するヘヴィメタルバンド、ANTHEMの35周年記念ライブに行ってきた。ANTHEMは1985年にデビューし、解散・再結成、幾たびのメンバーチェンジなどを乗り越えつつ、活動を継続してきたのだが、この35周年記念ライブ、実は本当は昨年やる予定だったものである。しかし、言うまでもなく新型コロナウイルスショックで延期になった。
しかも、その後、日程の変更だけでなく、人数の制限などにより払い戻しなどをしなくてはならなくなった。この手数料もバカにならない。チケットの値上げをせざるを得なかったのだが、どう頑張っても赤字になる・・・。コロナでライブ活動が止まる中、アーティストとしてメンタルのコントロールをすることも大変だ・・・。
そんな胸中を私は、この春、リーダーの柴田直人氏にお伺いし。激しく同情した次第だ。
この1年遅れの35周年記念ライブだが、アニバーサリーイベントなので、オールスターメンバー(約10年ぶりに共演するメンバーも)で、名曲の数々が演奏され。感動することは間違いないのだが。むしろ、コロナが盛り上がり、熱に貢献したかのように見えてしまった。メンバーも観客も熱が凄まじかった。メンバーの演奏は神がかっていて。愛と怒りに満ちていて。観客も歌えない、叫べないという状況の中、手がちぎれそうなくらい拍手したり、こぶしをふりあげて。メンバーからの「これまでのように、イエイとかヘイとか言えないですけど。みなさんの想いは届いています」という言葉にも熱くなり。
何より、ライブとはエネルギーを発散する場であり。交換する場だと思った次第だ。
1988年に彼らをNHK FMで聴いて以来、解散、再結成、メンバーチェンジ、さらには自分自身のことなどいろんなことを思い出して、久々に、ライブで泣いた。感謝。

もちろん、以前なら密集する状態でもみくちゃにされながら、一緒に歌い、叫び、暴れることができたのだろう。そんな状態が当たり前だった1年半前を思い出し、これまた泣けたが。ただ、間違いないことは、ANTHEMは、ヘヴィメタルは続いているということだ。コロナが落ち着いたころに、かつてない大爆発をするだろう。
苦しんでいる人はたくさんおり。その支援が十分かどうかは?なのだが。いかに文化を守るか、続けるか。この視点も大事。観客が歌えなくても、叫べなくても、酒を飲めなくても、拳を振り上げつつ、ヘヴィメタルは続いている。