別に氣志團ファンではない。嫌いではない。ただ、ファンというわけではないが、綾小路翔さんの青春時代の話などは共感することが多く。特に音楽体験がそうだ。マッチさんのことなど。みんな、アイドル歌謡に夢中だったわけで。そして、アイドルの歌う曲というのは、名うての作詞家、作曲家、プロデューサーが手掛けていたりもし。
氣志團による筒美京平トリビュート・アルバムが発売された。4年ぶりのアルバムらしい。読売新聞夕刊で紹介されており。サブスクでも配信されており。いつの間にか、毎日、しかも数回聴いている。毎回、最後の本田美奈子のカバーであり、アルバム・タイトルにもなった”Oneway Generation”で泣いてしまう。
最近、お亡くなりになった筒美京平さんが伝説の作曲家であることは間違いない。数々の筒美京平追悼番組が組まれ。トリビュート企画も多数あった。ただ、追悼やトリビュートのあり方もこれまた様々であり。氣志團は、選曲のセンス、アレンジが抜群にいい。綾小路翔の歌唱、バンドの演奏力もあり、いい意味で「くっさい青春」「熱いあの頃」を笑顔と涙で振り返ることができる、そんなアルバムになっている。だから何度も聴いてしまう。アレンジも抜群にいい。女性ボーカルの曲も、まったく違和感がない。
あらためて筒美京平さんの、規格外の才能が際立つ。車の中で一緒に聴いているもうすぐ4歳になる娘もハマっている。
個人的なハイライトは荻野目洋子のカバー「さよならの果実たち」である。これは、なかなかの佳作で。「ダンシング・ヒーロー」のリバイバルヒットで話題になった彼女だけど、この曲の空気感もまた魅力であり。それを大きくアレンジを変えて、新たな彩りを。たまらない。
アコースティックなアレンジの小沢健二「強い気持ち・強い愛」も傑作である。曲の良さが際立つ。ダンスナンバーをこう仕上げるとは。とはいえ、歌い、踊りたくなる曲であり、愛を感じる。
最高の組み合わせであり、リスペクトに満ちたアルバムだった。総花的なものではなく、テーマを感じ。でも、間違いなく、グレイテスト・ヒッツ。ありがとう。