こう見えて、柴門ふみの漫画は、ほぼ読んでいる。
『東京ラブストーリー』や『あすなろ白書』『同・級・生』など、彼女の漫画が原作となっているドラマは、意外にちゃんと見ていないのだけど、漫画の方はちゃんと読んでいる。『あすなろ白書』なんかは大好きで、独身の頃はホームパーティーをするたびに若い人に「これは読むべし」と渡していたので、何度買い直したことだろう。
そんな彼女の漫画だけど、いかにも皆がイメージする20代、30代の独身男女の恋愛、つまり前出の80年代後半〜90年代前半にドラマ化された作品のようなものは最近では珍しく、90年代以降は、『Age,35』『非婚家族』『小早川伸木の恋』などのように、人生やりなおし系、不倫などを描いた作品が増えていったような。
この『同窓生』も、そんな感じ。タイトルは『同・級・生』と似ていて、ニヤリとするよね。かなり前に買っていたのだけど、ちゃんと読めていなかった。流し読みだったのだ。
要するに中学校時代の同級生が再会し、それぞれの家庭と恋愛の事情を描きつつ、恋と愛が復活したり、こじれたりという話だ。あと、仕事の面も含めて人生やりなおしたり、とか。柴門ふみの王道とも言える。
なるほどね。
まあ、漫画なんだけど。
たしかに、同窓会だとか、それ的なイベント、例えば誰かの結婚式で再会、それがきっかけで交際スタートとかっていうのはあるよね。
いい感じで時間が流れているから、だからそれで再スタートする恋愛もあるのだろうね。
あと、根っこの部分は変わっていないし、共通の部分もあるわけだけど、それぞれ成長、変化しているわけで。
同窓会で出会って、それぞれ家庭に色々あって、昔の好きだった人、同級生と盛り上がる・・・。こういう漫画があるということは、そういう願望がそれなりにあるということなのだよね、たぶん。
さて、旦那さんの弘兼憲史もそうだけど、柴門ふみはいつまで現役で描くのだろうか。そして何を描くのだろうか。
そろそろ中高年の恋愛だなぁ。間違いない。
歴史に残る傑作というわけではないけれど、楽しめる1作ではある(痛いけど)。よろしければ手にとって欲しい。