BRUTUS (ブルータス) 2011年 4/15号 [雑誌]
BRUTUS (ブルータス) 2011年 4/15号 [雑誌]
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なぜ、私たちは売らなければいけないのか。
そして、「売れた」ということと、「売った」ことの違いについて、再び考えた1日だった。

大震災で分散化したとはいえ、ちょうど就活シーズンだ。「法人営業をやりたい」という就活生とよく会うな、最近。

会社には新入社員が入ってきた頃で、新人営業マンの飛び込み営業研修が行われている。私たちの会社にも新人営業マンがやってきた。忙しいときだったので、やや迷惑だな、失礼だなと思いつつも、自分も通った道なので目頭が熱くなった。「人事にそうやれと言われたのです」「名刺はポイント制になってまして」とわざわざ説明するのはどうかと思ったけど…。

人事異動により、4月から営業を担当する人もいるだろう。

「売る」ということについて、これから考えることにする。営業の仕事をしている人には釈迦に説法かもしれないが、営業職をやりたい人、これから営業職に本格的に取り組む人には少しでも参考になれば、と思う。



BRUTUSの前号は糸井重里特集だった。ほぼ日、コピーライター、ゲームクリエイターなどで知られている国民的クリエイター糸井重里氏とは何なのかに迫った特集だった。大変話題になった号で、実際、面白かったのだけど、その中で私の目に飛び込んできた言葉があった。糸井重里氏への密着取材における、1月19日(水)の16時からTシャツに関するミーティングを「ほぼ日」の社長室で行った際のコメントをご紹介しよう。

どれくらい売りたいか
うちの会社には「どれくらい売れるか」という発想はあっても、「どれくらい売りたいか」っていう発想がないよね。それは改めないといけないかもしれない。在庫がなくなったって言って笑ってるけど、完売すれば嬉しいっていう、クリエイターの気持ちのままではダメ。売れるに決まっている商品を少なく作ったら売り切れるのは決まっているので。そこに慣れちゃったら、新しい人たちには届かない。
【出所】『BRUTUS 2011/4/15号』(マガジンハウス)

なるほど。非常に含蓄のある言葉である。

「売れるか」と「売りたいか」は違うのだな、確かに。そして、「即完売!」「売切れで嬉しい悲鳴!」というのは一見すると、素晴らしい状態のようで、実は機会損失なのだ。これにより、悲しんでいるファンもいるし、なんせ新しいファンは増えない可能性が高いわけだ。まぁ、モノを扱う場合は「在庫」というリスクがある。「在庫は罪悪」だから、できるだけ減らしたくなるし、日々、そのせめぎ合いなのだけど。

糸井重里氏のコメントの
「新しい人たちには届かない」

という言葉が非常に印象的であった。



ビジネスをしていると、日々、数字に追われ、たまにいやになることがある。多くのビジネスパーソンがこの数字とともに生きている。数字に「追いかけられている」と考えると切なくなるが、「追いかける」と考えると、ちょっと気分は前向きになってくるのだけど。

営業マンは特にそうで、「売る」ことにこだわらなくてはならない。以前も書いたことだし、昔の上司であり、現在リクルートのじゃらんやHotPepper、ポンパレを統括する執行役員冨塚優さんの受け売りなのだけど「売れた」と「売った」は違うのだ。「売れた」ことについて、あなたはどれだけ貢献できたというのだろうか。そして、それは受け身の姿勢である。「売る」ためには心技体を総動員しなければならない。自分で付加価値を付けないといけないわけなんだな。そして、自分の「意思」ももちろん必要だ。

やや宗教チックだと言われるかもしれないけど、「売る」ことは顧客の役に立つことだと信じたい。いや、そう信じられるように、商品・サービスや提案内容を磨き上げないといけないのだけど。意思を持って売ることは、価値を届けることであり、喜んでもらえる人が増えるということである。

「売る」は世の中を幸せにする行為なのだ。だから、「自分は良いことをしている」と信じることが大切だし、実際、そういう商品・サービスに、自分なりの企画で付加価値を付けて提案したい。



いや、私も1997年に社会人になって、「営業会議」というものに参加し、企業活動は顧客の都合ではなく、売る側の都合で「どの顧客にいつまでにいくら売るか」という計画を立てていて、その進捗管理が行われていたことに衝撃を受けたわけだけど。まぁ、でも社会ってそんなものなのだよな。

「押し売り」にならないように、提供価値をいかに上げるかを考えつつ、社会を豊かにすることに貢献する。それが、営業マンが果たす役割である。



ちょうど、このコメントを自分の新作が発売される前に読んだのは偶然だろうか、必然だろうか。

以前、勝間和代さんの「書く努力の5倍、売る努力をする」という言葉が話題になった。まぁ、この言葉は誤解もうみ、「売るのもいいけど、ちゃんと書けよ!」という批判の声ももちろんあったのだが。でも、今になってこの言葉は正しいと感じる。読者に届かなければ、世の中変えられないんだよ。

商業出版でやっている以上、売れないとだめなんだよなぁ。そして、売らないとダメなのだよな。「僕が僕であるために、勝ち続けなければならない」と尾崎豊は歌ったわけだけど、まさにそんな感じ。気を付けないと機会をくれた出版社も、読者も裏切ることに。

今回の本は私にとってもチャレンジである。今まで就活生と、その関係者向けの本を書いてきたわけだけど、実に久しぶりに社会人向けの本を出す。コアターゲットは、プロフィール情報で言うならば「2006年〜2011年に新卒で入社した社会人」であり、戦略ターゲットはその上司・先輩なのだな。もちろん、学生にとっては社会の現実がわかる本である。

糸井さんが言う「新しい人に届く」ということを意識して、営業活動を頑張ろう。今日、Amazonから届いたはがきサイズの白い紙を前に、そう思ったのだ。水曜日までにPOPを100枚作るのだ。



あー、わくわくするな、この感じ。もっともっと多くの人に、もっともっと大きな可能性を感じてもらうために、私は今日も水平線を目指すのだ。世の中を楽しくしていこう。



というわけで、「売る」ということに悩んでいる日本の営業の皆さんと、その予備軍へ。世の中を豊かにするために営業を頑張ろう。ウルトラマンもいいけれど、営業マンも地球を救うかも知れないわけだよ。

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