仕事に幸せを感じる働き方仕事に幸せを感じる働き方
著者:横山 信治
あさ出版(2010-12-10)
販売元:Amazon.co.jp
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京都に行った。

京都精華大学でのプロジェクト演習に参加。その後、主に3年生向けの講演会だった。海老原嗣生さんと一緒だった。海老原さんに私の講演を聞いて頂くのは初めてだったな。感激。

行きの新幹線の中で読んだのがこの本だ。先日、水野俊哉さんのセミナーで知り合ったSBIモーゲージ常務取締役の横山信治さんの本である。セミナー終了後の懇親会で同じテーブルになったのだが、実にあたたかい方だった。そんな横山さんの優しくて、包みこむような空気感がいい感じに出た本である。そして、これは処女作ならではの空気感だな。

私のデビュー作のことを思い出したりもした。うん、あの本については反省点はいっぱいある。一般論や、人の受け売りだった部分もあると思う。文章も下手くそだ。でも、あの瑞々しさというか、はちきれんばかりの感じんはもう書けないのじゃないかなと思ったり。


内容については、私の職業観と結構近くて、同意する部分が多い感じだったな。うん、20代半ばくらいまでの社会人が直面する課題とその解決策がまとめられている。この辺も私の処女作と共通していたりする。まぁ、「当たり前じゃん」と言われるかも知れないのだけど、その当たり前が大切だったり。


個人的には5章と6章が面白かった。横山さんは元プロ落語家なんだよね。小学生の時に落語デビューしているんだな。その成功体験と挫折、プロ落語家たちの背中をみて感じたことなどが興味深かった。また、トップ営業マンになった過程でのエピソードも面白かった。そう、仕事を面白くないと思っている人達同士でつるんでネガティブトークしていてもダメね。ポジティブな人の近くに行くって大事。


25歳までの仕事の悩み、社会に出る前に不安を抱いている学生さんはご一読を。


この本を読んだ次の日に、城繁幸氏の「日課」とも言える、「企業社会ネガティブツイート」を読んだのは奇妙な連鎖である。

学生の夢を壊すようで申し訳ないが、彼らの羨望の的である大企業や公務員として働く30代で、あんまり幸せそうな人に会ったことがない。
それとも僕が会ったことないだけで、世の中は「仕事に恋に完全燃焼中の大企業サラリーマン」で溢れてるのかね。朝8時台の大手町とか霞が関とか見てると、終身刑食らったような顔の人が多いけど。


うん、毎日発信される城さんのネガティブツイートはもはやネ申の域である。私が会う大企業社員や、公務員は幸せそうな人だらけなんだけど。「類は友を呼ぶ」ことがある意味証明されたかも。って、こういう印象ジャッジの連鎖でしかないんだよね。あと、「幸せそう」の定義と、測定方法はどうなんだろう?


「幸せそう」
これまた奇妙な連鎖だ。昨日のエントリーで紹介した、山本直人先生の『電通とリクルート』でも「幸せ」に関する記述がある。「物質的な豊かさから心の豊かさへ」と世の中では言われるわけだけど、それは調査の設問から誘導された疑いさえあるんだな。


さて、ところで、幸せって何だろう?
仕事に幸せを感じるって何だろう?



『幸福の方程式』(山田昌弘 電通チームハピネス ディスカヴァー・トゥエンティワン)では、幸福のペンタゴンモデルが提示されている。

幸福のペンタゴンモデルによる5つの要素
時間密度
・夢中になる、没頭する。
・機会費用に動じず、現状の行動に迷いがない。

自尊心
・自分に誇りを持ち、他人を喜ばせる心のゆとりがある
・自分の発言や行動に意味を感じる。

手ごたえ実感
・課題の解決に達成感がある。
・課題にやりがいがある。

承認
・他人から評価され、他人に対して影響力を持てる。
・組織や仲間の中に、自分の「居場所」がある。

裁量の自由
・好きなことを好きなときにできる自由がある。
・「内発的な動機」がある。
『幸福の方程式』(山田昌弘 電通チームハピネス ディスカヴァー・トゥエンティワン)P102より。

妙に納得した。まぁ、これは仕事があるっていう前提だし、基礎力があって、やや前向きな人の論理かもしれないけど。



個人的には、仕事に幸せを感じるのは、「世のため人のために少しでも役に立てたか?」という非常にベーシックなことかな。人間は自分のためだけにはそこそこしか頑張れないのよ。あとは、成長感、充実感。お金というのも大事な要素。生きていくために大切だし、拍手の数だからね。



で、「幸せそうか」っていうのは、これ、別に大企業だ、ベンチャー・中小だって議論じゃないと思うんだよね。私はラッキーなことに、このすべての会社で働いたことがあるし、接点があるわけだけど、世の中の一般論には非常に疑問を感じる。


例えば、上記のような、幸せの5要素(もっと言うと、その中での自分が重視するポイント)が達成できていればいいんじゃないか、と。


たまたま、その後のツイートで城氏は
「ベンチャー、中小は総じて元気。前者には希望があり、後者はもとから会社なんぞに期待してないから」

と言っているけど、たぶん彼は「元気なベンチャー、中小」の、「仕事に幸せを感じている人」に会ったんだろうな。


これは、「どんなベンチャー、中小企業か」「その中でもどんな立場か?」によると思う。


業種、地域(これ、意外に大事)、ビジネスモデル、資本構成、上場しているかどうか、従業員数、組織風土、経営者のタイプなどにより、大きく違う。


『エンゼルバンク』(三田紀房 講談社)でも指摘されていたが、従業員数がすくないベンチャー・中小だと、担当業務で成果が出せないと社内で居場所がなくなってしまう。また、経営者と合うかどうかでも違うんだなぁ。経営者との方針対立からベンチャー企業をやめた友人は枚挙に暇がない。

また、「ベンチャーは成長できる」と言うが、成長の先に何があるだろうか?個人の成長と、企業の成長の速度がズレたときに、やはり対立はうまれ、人材は外部に出て行く(まぁ、それをどう評価するかだけど)。実際、成長した社員に対するより大きなステージを用意できないということはよくある。

意外に会社にしがみついている人もいるしね。

で、ベンチャーの社長はたいていリクルートをリスペクトしているわけだけど、表面的な「リクルートごっこ」をして、「成果主義プレイ」に社員が疲れて、体調崩したりしているしね。


中小企業は大企業以上に保守的なことも。


まぁ、もろもろ組織の期待と個人の期待の掛け算だからね。


社会や企業、上の世代を悪者にするのはカタルシスになるし、賛同も得やすいし、それぞれ問題があるのは事実なんだけど、それだけで労働者は救われないからね。


そもそも「幸せそう」と「幸せ」は違う。


私は「幸せそう」で「幸せ」な方だと思う。家庭にはまったく不満はない。仕事は苦行プレイの連続だけど、小さな会社で大きなことにチャレンジできているかな。


…話が拡散してしまった。横山さんの書評を書いている途中に、城氏のネガティブツイートをみてしまったからだ。


「やさしいこと」「前向きなこと」
これって大事だなと再確認できたのがこの1週間の収穫かな。


今日はちょろっと資料作ったり、原稿書いたりするけど、妻とお散歩して、夜は若者とホームパーティー。これが、私の幸せ。

さぁ、今日も楽しく行きますかね!
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