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あけましておめでとうございます。
今年もよろしくおねがいします。

今年は、仕事する。本を出す。帰省する機会を増やす。

それはそうと、2021年のNHK紅白歌合戦が面白かった。紅白改革は、ここ数年、進んでおり大御所演歌歌手などの出演が減り(本人たちが高齢化し、活動をしぼっていることもある)、一方でネット発の新しいアーティストを起用するなどトライしてきた。2021年は「colorful(カラフル)」をテーマにより出演者の多様性を広げた。紅組、白組、基本男女で分けるという枠組みは守りつつも、ジェンダー平等が色濃く出たイベントになった。より出演者の多様化も進み、尖ったアーティストの出演も目立った。長年会場として使用してきたNHKホールが使えないこともあり(改修中)、東京国際フォーラムを中心とししつつ、NHKのスタジオを含む日本各地(生も事前収録もあり)で演奏するスタイルをとった。

結果として、出演者も楽曲も演出も、振れ幅の大きいcolorfulな紅白歌合戦になったのではないか。しかも、その出演者のことを知らなくても、ギリギリ誰でも楽しむことのできる、「国民的番組」としてのギリギリの線を守ったような、その枠を広げたような、そんな紅白歌合戦だった。

個人的なハイライトはYOASOBIである。2枚目のアルバム(という言い方も今の時代に必ずしも合っていないけれど)をリリースし、初ライブにして初の日本武道館公演を成功させ、「情熱大陸」への出演を果たした2人組のパフォーマンスは、日本の音楽シーンの「今」が凝縮されたものだった。打ち込みをもとにした2人の音は、もともと生感があったが、それをバンドによる生演奏、密なくらいの人数のダンサー、コーラスはあたかも人類がコロナに打ち勝ったかのような力強さだった。あえてホールではなく、東京国際フォーラムという会場をエスカレーターまで活用した演出は自由な発想そのものだった。

他にも宮本浩次の船上でのパフォーマンス、自身の曲の演奏という意味では紅白初出演だった布袋寅泰、せめすぎていたmillenium paradeなどが圧巻だった。しかし、なんといっても藤井風である。岡山の自宅でのパフォーマンスは、彼が10代前半から取り組んできたYou Tube投稿そのものだったし、会場でも場の空気を支配し続けた。彼に限らず、サブスクでブレイクしたアーティストが多数起用されたが、定額聴き放題の世界で広がった彼ら彼女たちを見事に、さらに化けさせた。これは紅白歌合戦という場の力であり、新たな国民的番組の世界観だった。

これが五輪の開閉会式だったらよかったのに。音楽を中心とした我が国のカルチャーの見取り図そのものだった。ありがとう。