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ついに・・・。

本日、Twitterのフォロワーが3万人を突破した。

Twitterを始めたのは2008年の8月だ。13年と1ヶ月。時間、かかりすぎだろ。開設と同時に数万人がフォローする芸能人、スポーツ選手、すげえと思いつつ。一方、これだけ時間がかかってしまったこと自体に、常見陽平という人間の生き様がすべて凝縮されていると思う。中途半端に売れ、中空飛行で生き残っている、と。

フォロワーは、メディアに出るようになったり、たまにツイートがバズったり、プチ炎上(たまに大炎上)するたびに増えたりしたのだが。記憶が曖昧だが、この10年くらい2万人台後半でずっと横ばいだった。

理由は明確で、一言で言うと「そこそこ売れている」という状態がこの10数年続いており。何度かのヒット作や、あるテーマで(就職問題、働き方改革、意識高い系、最近だとコロナでのテレワークや、45歳定年制)引っ張りだこになる時期もあるのだが。最近、妻に「最近、以前ほどの勢いがないわね」と唐突に言われ、びっくりしたが(その後、妻も謝罪していたが)、たしかにそうで。とはいえ、月に数本、メディアからコメント依頼がきたり、特に秋になると週に1本ペースくらい講演の依頼が入ったりし、Yahoo!や朝日新聞のコメンテーターもしており、連載も5本+不定期投稿ものがあり、ずっと執筆中の本もあり。つまり、バカ売れしているわけではないが、仕事は常にある。一応、シーンには残っている。

デビュー同期、同世代はみんな、売れた。実は荻上チキさん、速水健朗さん、宇野常寛さんあたりとは単著デビュー同期で。みんな、売れて、ラジオパーソナリティーにもなった。いつも私だけが取り残されている。でも、ずっと追っている感があり、これはこれで好きだ。

自分自身、人生で大切にしていることは「中空飛行」である。「お金が中くらいに好きな人生」とも言う。バカ売れして疲れるのも嫌だし。ただ、好きなことができれば貧しくても構わない、とは思わない派で。中くらいで生き残っている。衣食住にちゃんとお金をかけたい派であり。快適、快感には妥協しないタイプだが、これ以上、稼ぐつもりもなく、忙しくなりたいわけでもなく。だから「中空飛行」を大切にしている。

ただ、書いていて、なぜずっとフォロワー数が増えなかったか、よくわかってきた。私は、自分が好きすぎるのである。自分が、好きで好きでしょうがないのである。なんせ、娘はかわいいし、妻との関係も良好だし、母にはいつも食材をおくったり、会うときには大接待をするし、今回も絶大なる経済力でiPhone13 Pro Maxをポーンと買ってあげた上に、学会で状況する際には、横浜の夜景の見えるホテルをとってあげたりもしたのだが。世界で、一番好きな人物が、自分だと。ここが、私の限界なのである。

TwitterというかSNSは常に、ファンのためでも、世のため人のためでもなく、自分のためだった。もう専門分野から政治・経済、さらには文化のことからつぶやきつつも、人に役にとってもらいたいというよりは、SNSで難しいことを書いている俺に常に酔っているのが、私なのである。たまにアジ演説を投稿するのだが、ふと、これはアジ演説業界に失礼だと思った次第だ。というのも、本来、アジ演説とはまさにアジテーションでみんなのハートに火をつけ、鼓舞するためのものなのだが。そもそも、私は「アジ演説」をしている自分、「檄文」を投稿している自分が大好きなのである。

プライベートな写真の投稿も、まるで『BRUTUS』『Casa BRUTUS』『POPEYE』『Pen』『GOETHE』『UOMO』『LEON』『Tarzan』的な生活をしている自分に酔っているだけなのである。別に自慢したいわけでも、セルフブランディング(笑)でもなく、自分が好きで好きで、好きでしょうがないということなのだ。

常見陽平の、常見陽平による、常見陽平のためのTwitter。

これが13年と1ヶ月の実態だった。

そりゃ、フォロワー伸びないわ。

しかし、最近、意識が高くなり。「みんなのために役立つ投稿をしよう」「プライベートな投稿はやり方を工夫する」「フォロワーに語りかけるように投稿しよう」ということを心がけたところ、フォロワー数が1000くらい増えたのだ。これ、十数年前に立ち読みした勝間和代さんの本に書いてあったノウハウのような。ちゃんと勝間本、買って読めという話だった。

2021-09-30 12.21.56

というわけで、意識高くなっているので、これからは社会を変えるために、役に立つ投稿をする、つもりだ。ただ、どうせきっと1週間で飽きるだろう。この不確実性の高い社会で生き残るには、息抜きならが生き抜くのが大事で。そのためにも、自分が何を大切にするかを確かめることが大事なのだ。うん。