武器としての「資本論」
白井 聡
東洋経済新報社
2020-04-10


共同通信社さんからのチャンスを頂き。白井聡氏の『武器としての資本論』の書評を書いた。全国の地方ブロック紙、地方紙に配信された。さっそく、北日本新聞に掲載された。


圧巻の1冊だった。極めて優れた「資本論」やマルクスの入門書であり、古今東西の歴史や文化を広く深く読み解く教養書でもある。実に贅沢だ。何から何まで「資本論」でぶった斬っていくのは痛快そのものであり、なんせ、知的刺激に満ちている。

新自由主義に毒され、資本主義を内面化した生き方から、いかに自分を解放するか。そのヒントがここにある。新型コロナウイルスショックの中で、これからの生き方を模索する中、読みたい1冊である。そして、私たちはいまだにマルクスの手のひらの上で踊っている。いや、踊る私たちのことをマルクスはちゃんとお見通しだと言った方が正しいか。

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本書を読んで「新自由主義のアンインストール」という言葉がふと湧いてきた。いや、本当にこの本に刺激を受けて浮かんだ言葉なのだが。ゆるく生きている風の人も含めて、骨の髄まで、血液まで、新自由主義に侵食されていないか。思わず、出演した番組で口にしたら、TLの反応はよかった。いや、この反応を気にしている段階で、それを論拠にしている段階で、私も新自由主義に侵されているのだけど。