IMG_2923

改めて、SMAPは解散してよかったと思う。5人の構成員はジャニーズ事務所に引き続き所属するという(もっとも、先のことは分からないのだが)。とはいえ、いったんSMAPからは解き放たれた。「ジャニーズ事務所を辞めたら干されるの法則」というのもあるが、所属するからには互いにメリットがあるということなのだろう。ジャニーズ事務所がピンになった彼らをどうプロデュースするのか、今から楽しみである。ソロ活動はすでに多いのだけど。

それはそうと、私は怒っている。SMAP解散については、私は賛成でむしろ喜んでいるのだが・・・。彼らの挨拶文に対してである。急に決まったこととはいえ、もっと言い方、書き方があったのではないか。これでは解散宣言ではなく、謝罪文である。SMAP解散というタイトルがなければ、何かの不祥事で謝罪しているかのようだ。タイトルを「反社会勢力との付き合いについて」「不倫報道について」などとしても、成立してしまいそうだ。どこかのメディアが登場するキーワードや、謝罪をしたかどうかなどの分析を行っていたのだが・・・。ぱっと見では、誰が誰に対して謝っているのかが分からない。

もっとも、この「誰が誰に謝っているか分からない」という文章こそ、SMAP解散の重大さ、根深さを物語っている。国民的アイドル、戦後最高のアイドルと言われる彼らに対するファンの期待は、もはや呪縛と紙一重だ。ジャニーズ事務所との関係もあることだろう。なんせ、ドル箱を失うのだから。5人は残るとはいえ、SMAPで活動していた頃と同じかそれ以上の売上を立てることができるかどうかは未知数である。

バンド臨終図巻
速水健朗
河出書房新社
2010-04-22


美しい解散など、ありえない。傑作と言われているこの本にあるように、グループの解散とはそれぞれに不幸なのだ。

とはいえ、国民的アイドル、戦後最高のアイドルなら、もっと言葉を選ぶべきではなかったか。グループの解散、アイドルの引退というのは、笑顔だけで終わるわけがない。事情も常に複雑だ。とはいえ、この解散、引退メッセージというのは、ファンに対する誠意であり、グループの力の見せ所である。

最近では、民間人ですら「退職ポエム」というものに力を入れているものだ。何度、退職、異動ポエムエントリーを読んだことか。国民的アイドル、戦後最高のアイドルがこれか。しかも、文面は、悪文の好事例そのものである。

今後、記者会見なども行われることだろう。事務所やスピーチライターが絡むかどうかは分からないが、謝罪などもういい。別に歴史に残る挨拶でなくても構わない。自分たちの言葉で謝罪以外のことを語って欲しい。私のようにSMAPが解散することで5人が少なくとも今よりは解き放たれることを喜んでいる人もいるのだから。

ここにきて、メンバー間の人間関係についての報道が相次いでいる。情報が制限されている中、変な勘ぐりはどうかと思う。ファンはますます疑心暗鬼になってしまう。「夜空ノムコウ」風に言うなら「あれから僕たちは何かを信じてこれたかなあ」という感じだ。特に香取慎吾が悪者視されていて、キャラがかぶる者として胸が傷んだ。思わず、昨日は友人たちと深酒をして、帰り道で「しんごー、しんごー」と近所の公園で叫んでしまったほどである。

疑惑を払拭するためにも、そして中年5人組の中でも相対的な若さを見せつける意味ではも、ここは香取慎吾に心のこもった言葉を期待したい。

というわけで、ファンに届く声で、もう1度、手紙を書いてほしい。SMAPの構成員への夏休みの宿題だ。