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久々に脅迫状を頂いた。昨年から大学の専任講師となったので、要するに大学の住所に送れば郵送物は届くので(おかげ様で突然、本を頂く機会も増えた 感謝)。

いままで、ちゃんと読み、Facebookで友達限定公開で脅迫状が届いた旨を伝えていたが、同じような悲劇が広がるのは問題だと思ったので、共有しよう。

これまでも誹謗中傷メールや、メンションを頂いたことは何度もあったし、Amazonレビューなどで作品と関係ない人格否定や、作品を曲解した否定的な書き込みを頂いたことはよくあった。しかし、そんなものはいちいち相手にしていられないわけで(他の著者が匿名でやっていたりするのは、悪質だと思うのだが、そういう著者は黙っていても消えるし、相手にされないので、まあ、いい)。

そんな中、目から鱗だったのは、メールと比較して手紙というのは、実に便利な誹謗中傷ツールだと思った次第だ。ネットよりむしろ身元を特定しにくい。まあ、指紋とか、発信元でなんとなくバレる可能性があるけどな。

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これで3通目なのだが、おそらく同じ方だ。1通目、2通目は長崎県の諫早市の消印。今回は大村市だった。以前は、大きな封筒に80円切手で、追加料金がかかる的な。

Facebookで共有したところ、ある友人が悲しんでいた。彼は前大村市長のご子息である。大村市を愛している男だ。もちろん、この方が大村市民なのか、諫早市民なのかは特定できない。わざわざ、自分と縁もゆかりもない場所で出している可能性もあるからだ。ただ、大村市と諫早市は同じ長崎県で近くではある。思えば、院生時代の友人も研究対象が大村収容所だった。長崎県には一度も行ったことがないのだけれども、自分の中で「大村」のマインドシェアが非常に高かっただけに残念である。

中身に関しては、この方なりに悩み、心の叫びを書き連ねているのだろう。ただ、完全に誤解、曲解であり、言いがかりだ。今回は私がメディアで「就職難が慢性化している」とコメントしたことについて、その言葉でどれだけ苦しんでいる人がいるのかという趣旨だった。コメンテイターとしては状況を解説するのが仕事である。そのコメントは、要約されることすらある。この言葉によって、この方を始め傷つけてしまった人がいるのかもしれないが、私は現状をわかりやすく、事実・データに基づいて解説するという仕事をしたまでである。

どうせお前には子供がいない。子供が得られる環境にあるくせにという趣旨のことも書かれていた。

これは、私たちのことを知って書いているのだろうか。子供を授からないということは、ここ数年の我が家の課題であって、ずっと立ち向かっている問題である。もちろん、経済的にも健康的にも豊かに見えるかもしれないが、ただ子供を作らないのではなく、授かることができていないのだ。Facebookで友達限定でこの手紙ついて紹介したとき、友人たちの妊活話が個別メッセージでたくさんきて、涙が出た。

この方はどこまで考えてそう言っているのか分からないが、この言葉の方が破壊力バツグンだった。いやあ、傷ついた。「子供はまだなの?」「お子さんはいらっしゃらないのですか?」という社交辞令ですら、日々、激しく傷ついているのにな。

私のメディアでの発言での誤解や、言いがかりに近いようなものは日常的にあるわけだし、一部は私にも責任はあるのだが。いや、コメントへの批判よりも、こっちの方が強烈だったわ。

「超難関国立大学に合格した」なることも書かれているが、私なりに努力はしたし、入ったところで落ちこぼれだった。今も、学位のない大学教員という、恥ずかしい立場にありつつ、なんとか教育や学部運営で貢献できるように、論文や学術書・専門書を書くように努力しているのだが。

個人的にお手紙を頂いて傷ついたが、この手のことで傷ついている人は他にもいるのではないかと思われ。脅迫状を頂いた事実や、その文面を公開するのは悩んだのだが。私は別にこの手紙を晒してこの方を貶めようとしているわけではない(もっとも、誹謗中傷手紙を送っておいて、私は正しいというのは違うと思うのだが)。これ以上、こういう悲劇を広げたくないのだ。まあ、晒しやがってと思うかもしれないし、ちゃんと傷つけることができたと満足しているかもしれないが。気が済んだだろうか。

昨日、Amazonレビューに関するエントリーを書いたのも、News Picksが誹謗中傷プラットフォームとして機能してしまっていることについて問題提起しているのもそういうことだ。

もっとも、完全な誤解である部分や卑怯な部分も多々あるものの、この方なりの心の叫びなのだろう。そして、この方が悪いわけではなく、こういう環境に追い込まれる社会ということなのだろう。まあ社会学男子としては、そいつが悪いという話ではなく、なぜこのような行動をする人がいる社会なのかということが気になって、ずっと考えているのだが。この方なりの心の叫びなのだろう。

勝ち組と言われたが、いやいや、負けたり勝ったりの繰り返しだ。



本当、ガンダムのジムのようなものだ。代表作が文庫化されても、気づけば在庫の山さ。

ただ、こういうもはや階級とも言えるような、各クラスタへのルサンチマンへの連鎖で世の中は動いている。

軋んでいるな。社会。

最後に。

ネットでの誹謗中傷も、この手のことも今まで比較的スルーしていたが、悪質なものは今後、適切に対応するので、その手の人は覚悟すること。Amazonレビューに関しては、近々、専門家と会い、対応を考える。この件も、被害届くらい出しとこうかな。

地方が大好きな私だけど、長崎に行く気がダウンしてしまった。美味しんぼで取り上げられていて、気になっていたのだがな。

やれやれだぜ。

さあ、仕事。