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報道キャスター交代などで報道の自由が話題となる今日このごろだが、政治関連以外でも言ってはいけないことってあるんだな。

それは、スター・ウォーズの悪口だ。もっと言うと、実は同作品ではなく、面倒くさいファンに対する苦言である。

赤木智弘さん、おおたとしまささん、中川淳一郎さんと『スター・ウォーズ』に関する座談会を開き、東洋経済オンラインにて記事化した。
「スター・ウォーズ」にイラッとする人の目線みんなが大好きという前提で話をするな
http://toyokeizai.net/articles/-/105499

「スター・ウォーズを知らない」を恥じるな サブカルマウント先輩との正しい戦い方
http://toyokeizai.net/articles/-/105683

中年オールスターズによる、サブカル談義である。

問題意識は、『スター・ウォーズ』って意外に見たことない人が多いのではないか、そして面倒臭いマニアたちのサブカルマウンティングが敷居をあげているのではないかというものだった。

『罪と罰』を読まない
岸本 佐知子
文藝春秋
2015-12-12


まあ、言ってみれば、この本にインスパイアされた企画だった。当初は、『スター・ウォーズ』を見たことがない赤木智弘さん、中川淳一郎さんに、どんな話か想像してもらい語り合う企画だった。

この中川淳一郎さんによる「『スター・ウォーズ』ってこんな話じゃないか」っていう予想、最高だ。
東洋経済オンラインでスター・ウォーズ座談会した 観たことのない42歳男がストーリーを予想する
http://jnakagawa.blog.jp/archives/1052315479.html

結果として、「サブカルマウンティング、うぜえ」という話で盛り上がったのだが。

読んで頂くとわかるとおり「作品の敷居」「ファンが作品を面倒くさくする」という話をしている。別に作品を全否定しているわけではない。おおたとしまささんと私はむしろこの作品の大ファンである。

しかし、蓋をあけてみると、コメント欄やTwitterでの反応が荒れ気味になってしまった。要するに「見ないで評論するな」という話である。「こんなのでお金もらえるのか」とか「単なる中年の居酒屋談義」とも。

えっと。

作品の評論は見ないと、読まないと出来ない。それは当然だ。

しかし、ここで論じているのは、作品の敷居、見て当然という風潮への批判である。「見ないで批判するな」と書いた奴に言いたい。「読まないで批判するな」と。ちゃんと読め、と。そして、前半後半に分かれているのだから、後半を読んでから判断しろ、と。

私たちを批判している連中によって、「『スター・ウォーズ』とか、サブカルファンのマウンティングって面倒くさいよね」ということが可視化されてしまった。いや、これは別に意図していたわけではないのだが。

以前も書いたが、普通に楽しめばいいんだよ。私はそれなりにファンで最新作を見てニヤリとしたシーンもいっぱいだったし、もう1回行こうとか、Blu-ray買おうかなとか思ったりもしているが、まあ、普通に楽しみたい、ただそれだけなんだ。

思うに、最新作も過去のBlu-rayも、売りやすそうで難しい作品なのではないかと思う。エピソード4〜6、1〜3という公開順、テクノロジーが進みすぎて旧作はやや古風に見えてしまうこと(もちろん、面白いし、色褪せないけど)、予習しないと新作を見ちゃいけないのではないかという空気(これで旧作が売れるけど)などなど。

まあ、このサブカルマウンティングというのは職場でも問題になるわけで。若者諸君よ、うまいスルーの仕方を学ぶんだ。「すごいっすね」「先輩、博識!」などと適当にヨイショしておけばいい。どうせ職場で浮いているしな。『北斗の拳』の真似をして、退職の挨拶で「我が生涯に一片の悔い無し」と言って、シーンとする時代である。『天空の城ラピュタ』なみにプカプカと漂っていて頂こう。うむ。

というわけで、サブカルマウンティング、うざい。普通に楽しもう。所詮ポップカルチャーなんだ。



そういう話をこの本の1章で書いているので、是非チェックだ。



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