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「左翼」だと人から言われる私だけど、三島由紀夫が好きだ。

・・・こういう左とか右って何だろうね。そういう二項対立が嫌いだ。まあ、いい。今日はそういう話をしたい気分ではない。

その三島由紀夫は、ある時期、肉体改造と文体改造に取り組んだのだという。そう、あのマッチョなイメージの三島由紀夫は、昔からそうだったわけではないのだ。しかも、文体改造と同時だったというのが面白い。

私も昨年から肉体改造と、文体改造に取り組んでいる。後者の話はいつか書くとして、前者においては、昨年の春から、プロレスラー三富政行さんにパーソナルトレーニングをお願いしている。今年からは青山のジムの会員にもなり、仕事の合間に可能な限り行くようにしている。

可能な限り歩くようにもしている。いわゆる有酸素運動だ。電車の乗り換えが面倒臭いと思った瞬間は、できるだけ歩くようにしている。例えば、青山から渋谷まで、あるいは赤坂までは、できるだけ歩く、というように。これは街の変化を感じる上でも有効だ。なんせ、楽しい、気持ちいい。

食生活も見直し中だ。できるだけ脂肪を取らないようにしている。夏までに、腹はもっとなんとかしたいが。

先日、ジムに行って彼と会った瞬間、「入ってきた瞬間、只者じゃないオーラを感じましたよ」と言われた。オーラの他、体格や、着ている服から、只者じゃない感が漂っていたのだという。嬉しいな。

体格はたしかに変わった。人に会うたびに、メディアに出る度に、プロレスラー風になったと言われる。

服装については、「会社員では着れない服を、大学教員としてギリギリOKな服を着る」というのがテーマ。いや、交流のある大学教員は、関西学院大学の鈴木謙介先生、名古屋大学の内田良先生のように金髪の人もいるし、津田塾大学の萱野稔人先生や、立命館大学の西田亮介先生のように、明らかにイケメンという人もいる。だから、化学繊維で出来たシルバーの上下や、白の上下で講義をしていたりするけれど、これは許容範囲だと自分に言い聞かせている。茶髪だしな。

最近は圧倒的にISSEY MIYAKE率が高い。物書き業界含めて、周りに着ている人があまりいないし、なんせ学生の頃、先生からお下がりをもらってから大好き。

何より、オーラっていうのは、なかなか身につけることができないわけで。

なんというか、プロレスラーが入場シーンから只者じゃない感がただよっている感じ?試合だけじゃなく、入場シーンだけで感動する感じ?これが大事。

個人的に嬉しいのは「やっと、まともにセルフブランディングについて論じることができる」ということだ。

そう、10年くらい前からセルフブランディング、パーソナルブランディングという言葉が流行り始め、さらにはソーシャルメディアがそれを加速していった。

思うに、そのセルフブランディング狂想曲は、意識高い系のごっこ遊びと化していったように思う。それこそ、安藤美冬が言った「名刺に足立区と書くな」みたいな。この発言、私はさんざん批判したが、もちろんわからなくはない部分はある。ただ、とはいえ、そこに足立区に対する愛などがあれば、それでいいと思うのだ。要するに、小手先のテクニックに走りすぎたのだと思う。

散々、セルフブランディング(厳密には、セルフブランディングごっこ)を批判してきた私だが、実は「当時、流行っていたセルフブランディングのやり方」が嫌いだったのであって、実はセルフブランディングという考え方、行為自体には賛成なのだ(これは、著書や記事でも実は一貫して主張していることである)。

ブランドというものがあるからこそ、なんらかの取引を成立させるためのコスト(時間、手間なども含む)が低下するわけだ。これはブランド論の基本である。

また、どんな自分になりたいかと、中長期で計画を立てることは決して悪くはないことだ。

しかし、実際に流行ったのはセルフブランディングごっこだった。あの時、セルフブランディング(と言われるもの)に取り組んだ人がいま、どうなっているか見てみて欲しい。ごっこ遊びをしていた人は、それなりだ。彼らに当時の写真や、ソーシャルメディアでの発言をプリントアウトして突きつけたいくらいだ。

ブランドというのは、すぐにはつくれないからブランドなのである。続けるからブランドになるのである。物語を始め、根拠があるからブランドになるのである。

というわけで、セルフブランディングごっこ野郎が退出した今だからこそ、ゆっくりセルフブランディングを始めよう。

まあ、三富さんに「オーラがある」「只者じゃない感がある」と言われて嬉しかったが、それは日々の筋トレ、おしゃれもそうだし、目の前の仕事をマジでやったからなのだと思う。すさまじい数の記事を読み、本を読み、1日最低5000字は書き、講演・講義をマジでやる。会った人に高い確率で「面白い」と言ってもらうための努力をする。そんなことをずっとマジでやってきたからなのだよね。



下積みは、あなたを裏切らない!
ってことなのさ。

さあ、きょうもがんばりますかね。