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久々にLOUDNESSのライブを観た。六本木のEXシアターにて。実に不思議な空間と時間だった。そこには、幸せな高齢化社会における、これからのヘビメタのあり方が提示されていたのだ。

率直に「実に不思議な空間と時間」だったのだ。バンドのパフォーマンスは悪かったわけではない。むしろ、シンプルな舞台で、熱のこもった演奏が展開されていた。特にギタリストの高崎晃はその天才ぶりと狂気をステージにぶつけていたし、ドラマーの鈴木政行はこの世のものとは思えないような速く・重く・激しいドラミングを見せていた。

しかし、あまりに会場が広すぎて、快適すぎて、盛り上がれないのだ。いや、キャパは1,000人くらいでほぼ満員と言っていい入りだったのだが、天井が高く、音圧が分散されるし、ステージが遠く感じるのだ。また、座席もゆったりしている。

選曲も新曲が3割くらいの他、新旧織り交ぜたものだったのだが、アルバム発売から2日後のライブなので、いくらファンとはいえ、聴きこめていなかった。

盛り上がっていないわけではない。演奏やMCに対して歓声はあがっていたし、観客はこぶしをつきあげ、雄叫びを上げていた。ヘッドバンギングをしている者もいる。・・・2階席の人たちは、座りながら。

でも、これでいいのだと思う。

これが、高齢化社会における、ヘビメタの正しいあり方だ。

最近はバンドメンバーもそうだが、ファンも高齢化している。ライブハウスでもオールスタンディングではなく、椅子が置かれることも増えた。無理のないように盛り上がる。バンドもファンも健在であることを確認し合う。これが、高齢化社会における、愛と優しさに満ちたヘビメタなのだ。

1回7,000円という入場料を払い、グッズを買う余力がある人にとっての、快の追求への配慮に満ちた、おもてなしのヘビメタだった。

新宿コマ劇場がまだあって、演歌のリサイタルが行われていた時、こんな盛り上がりだったのかなとも思う。

お約束と、互いに健在であることを確かめ合う、という。

ギターの速弾きなども、伝統芸能であるかのように見えてきた。



そんな彼らの新譜だが、2010年代的な攻撃的なノリと、彼らが1981年からこだわりを持ってやり続けているジャパメタの伝統を確認できる佳作である。いや、傑作と言ってもいい。挑戦と安心。この言葉につるだろうか。

というわけで、ヘビメタは、幸せな高齢化社会の文化となる、そう確信した夜だった。

ありがとう。