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会社で働きながら、自分の好きなことを副業でしている友人がいる。その友人が、ついに独立し、副業の方をメインにするそうだ。やりたいことはこちらだと。一応、それ一本で食べていけそうだが、不安も大きいらしい。

完全フリーランス生活が3年目に突入した。助走期間のベンチャーに勤めながら自由に活動していた期間も含めると6年目か。おかげ様で、なんとかやっていけている。

その友人に、伝えたのは次の3点だ(アドバイスという言い方は、あまりに偉そうなのだけど、実質、アドバイスみたいなものだな)。

1.自分のコアはぶらさない アウトプットする手段を多様に
2.不安定の中での安定した仕事=座布団の仕事をつくる。
3.ご飯の仕事とおかずの仕事(または、ライスワークとライフワーク)のバランスをとる

この3点。

1.自分のコアはぶらさない アウトプットする手段を多様に
私の場合、雇用・労働(特に、いわゆる正社員の、若年層の)、キャリア論をコアにしている。07年に童貞作(一般的には処女作と言う)を発表した頃から、若者×働くのマトリクスに入る仕事を受けるようにしようと考えた。

いまは、執筆、大学の非常勤講師、講演活動、メディア出演、コンサルティング(・・・メディアでは人材コンサルタントとして紹介されるのだけど、このウェイトは最近、低め)などで食べていて、「マルチに活動していますな」と言われるのだが、以前少しだけ流行った「ノマド」風に言うなら「自分の仕事をなんて説明していいか、困るんですよね。てへへ」ということになるのだが。ただ、雇用・労働、キャリア論というものをコアはブレていない。そのアウトプット方法が違う、という。

もちろん、最近ではこれ以外の仕事もあるのだけど、それは、余興というか、あくまで派生した仕事だということで。

だから、何やっているかわからない状態は避けられているかな、と。

2.不安定の中での安定した仕事=座布団の仕事をつくる。
まあ、そもそもフリーランスでやっていくには、あるいは好きなことを仕事にするには、調子が悪いときにもブレないということが大事なのだけど。

不安定な中でも、安定した仕事をつくるのが大事。

私の場合は、連載と非常勤講師の仕事。書籍を出した後、大きめの講演の方が単価は高い。ただ、毎月、収入をある程度読める、有り難い仕事である。

3.ご飯の仕事とおかずの仕事(または、ライスワークとライフワーク)のバランスをとる
これは、サラリーマン時代も大事にしていたこと。

人間は、食べていかないといけない。そのために、たいていの場合は、働かなくてはならない(もちろん、ここでは働かずに食べることはいったん否定しない)。

食べていくための仕事、つまりお金をもらうための仕事と、自分がやりたいこと楽しみたい仕事をわけて考える。

これが、ご飯の仕事と、おかずの仕事という考え方。ライスワークとライフワークとも言う。

まあ、これが限りなく重なる人もいるわけだけど。それは楽しいとも言えるし、何かあった時に心が辛くなるから危険だとも言えるのだけど。

私は、意識的に儲からない仕事をするようにしている。なんというか、バンドのボーカリストやギタリストのソロ活動のような。しかも、売れるからやるソロ活動ではなく、バンドでできないことを解消するようなソロ活動のような。

今回、早慶の学生と立ち上げ、大学のキャンパスや下北沢B&B、岩本町ワンドロップカフェで配布しているフリーペーパー、『アスユニ』なんかがそうだ。



このあたりは、この本にまとめているのでよろしければ。自由に働いている人に好評だった。超絶良編集者がいい感じで仕上げてくれたのだ。

あ、写真は、私がいつも家で食べているキャベツ丼だ。安くて美味い。

私が現人神と崇拝する永ちゃんこと矢沢永吉氏はエッセイ『アー・ユー・ハッピー?」(日経BP社、角川文庫で文庫化)でこんなことを語っていた。

「銀座で飲むロマネコンティも屋台で飲む焼酎も、両方楽しめるということ」


うん、大事な視点だ。そして、今日のエントリーにひきつけて話すなら、生きていくためには、節約して食べることも大事だし、たまにはパーッとやること。両方楽しめないとだめ。

さて、今日もご飯の仕事、おかずの仕事がいっぱい。食べ過ぎもよくないから、バランスとらないとね。