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このたび、『最新版 就活難民にならないための大学生活30のルール』という書籍を発表した。2010年にリリースし、学生、大学教職員から好評を博し、ロングセラーとなった本のリニューアル版だ。新たに、納得のいく大学生活を送った学生17人にインタビューした。いまどき、大学に行く理由が分かった気がする。

先日、堀江貴文氏の「ホント、日本の大学の学部行ってる学生は今すぐ辞めたほうがいいと思うよ。。。」が話題になった。

茂木健一郎氏の偏差値・予備校批判同様、大変に雑であり、もうすでにたくさんの意見が寄せられているので、ここでは特に触れない。

彼の意見のツッコミどころと(批判というよりは視点の提供に近い)、いまどきそれでも大学に行く理由は、昨日のNEWSポストセブンの原稿にまとめたので、ご一読頂きたい。

堀江氏の「東大以外は無駄」発言に人材コンサルタントが反論|NEWSポストセブン
http://www.news-postseven.com/archives/20140323_247337.html
※なお、ネットニュースに限らず、ニュースを読む人の多くはわかっていると思うが、タイトルは、私がつけるわけではないからね(メディアによるが)。とはいえ、自分がつけたわけでないにしろ、タイトル含めて責任持つのがライターの仕事だというのもよくっているし、そこで笑われたり、突っ込まれたりしてもナンボなのだけど。

ここでは、彼ら彼女たちのインタビューを振り返りつつ「大学に行く意味」を考えてみたい。

堀江氏は東大以外の大学には行く意味がないと言ったが、この本には東大生は登場しない(2010年に出した本には登場していたが)。首都圏を中心としつつも、様々な大学に通う学生が登場する。いわゆる意識高い系の学生でもない。なんとなく大学に入った学生、不本意入学だった学生だっている。

とはいえ、試行錯誤を繰り返し、紆余曲折を経ながらも充実した大学生活を送り、納得のいく進路選択をしている。

もちろん、彼ら彼女たちの人生はこれからの方が長い。だから、これから入る会社や、社会からどう評価されるかは分からない。

今どき、大学に行く意味というか、いろいろ問題がありつつも行った方がいい理由は、先ほど紹介したNEWSポストセブンの原稿に書いた。

日本の大学をめぐってはもちろん、数々の問題がある。庶民的な視点から言うならば、入るまでの準備(大学の選抜度によるが)、かけた時間、パワー、かかる費用などを考慮した上で、行く価値があるだけのリターンがあるかという問題はある。教育サービスの質の問題だってある。このあたりは、今までの書籍やエントリーでも触れてきた。

今日、私はこのエントリーを書いた後に、自分自身、大学院の修了式に行く。修士課程での2年間が終わる。単に、教育サービスとして見た場合、思うことはある。

「勉強って、研究って面白い!」とか、「学問とはこんな厳しいものなのか・・・」「この先生、すごい」「こんなに優秀な20代がいるのか」などという前向きな体験もしたが、最低の体験もした。出席していなくてもAがもらえる講義、毎回教授が論文を朗読する講義、前回言ったことを覚えていない場当たり的な指導、指導の放棄、「自由な議論を」と言いつつ放置しているだけの講義、院生に指導を任せるが講義中に教官と院生が指導方針をめぐって議論しだす講義、レポーターが寝坊し遅刻し崩壊する講義・・・。

いや、これは私が学部生だった90年代とあまり変わらない光景かもしれない。

一つの答は、庶民の処世術としては、大学というものに過剰に期待してもすぐには変わらないので、どう利用すればいいのかを考える。これだ。このあたりは、サラリーマンの処世術と似ている。そして、大学に行く理由、意味は、大学に入ってから考える。これだって立派な答だ。

とはいえ、そうやって前向きに変化できる学生は何割かしかいないので、普通の大学は教育力を上げることが期待される、というわけである。

まあ、NEWSポストセブンのエントリーで書いたとおり、とはいえ、大学に行く価値が存在してしまっているのも現実なのだけど。



学生向けの本ではあるが、特に17人の学生へのインタビューや、大学の最新事情は読み応えがあると思うので、学生以外の方も手にとってほしい。

3月29日(土)に開催されるゲンロンカフェのイベント、そして、明日以降のエントリーで、また大学生活ってどうよという話は書き綴りたいと思う。社会人院生をテーマにした出版企画もそのうちやりたいが、一度、ある出版社でボツになったので、まあ、ネットの記事で書くのがいいかな。

さあ、着替えて、修了式にでかけよう。

行ってきます。