53

3泊4日の九州出張から戻ってきた。講演、会食の他は、ほとんどホテルで缶詰だった。せっかくの九州なのに、ちょっと天神の屋台を楽しんだだけで、焼酎も飲まず、酒はほとんどコンビニのビールだった。ホテルに1人だ。まさに、百年の孤独ですな。ガハハ。それは、いい。

最も印象的だった光景は、博多駅前でやっていた、対馬市のキャンペーンだ。アンパンマンがいると思ったら、違った。食育キャラクター「どどんこくん」なのだという。いや、これ、「酷似」と言っていいレベルじゃないか?何のために生まれて、何をしていきるのか、答えられないのがゆるキャラの悲劇である。

いま、地域の活性化といえば、この手のゆるキャラと、新たに開発したB級グルメだ。前者はくまモン、ふなっしーなど、後者は富士宮焼きそばなどの成功事例はある。

しかし、私に言わせると、この手のものが地方をダメにしていると思えてならない。

まず、キャラクターを舐めるなと言いたい。いや、自治体が舐めているわけではなくて、それを仕掛けている第三者がいるのだろうが。キャラクターはブランドと一緒で、確立するのは楽ではないのだ。そのデザインだけでなく、世界観、ストーリーを定着させるのは並大抵のことではない。

いや、だからこそ、第三者が何も分からない地方自治体に仕掛けているのかもしれないが。ちょっとクレジットカードを使いすぎた女子大生がキャバクラでバイトしたら、ブランド物とホストクラブにハマってしまうように、雪だるま式に出費が増えるのである。

地方のゆるキャラと言っても覚えていられるのはいくつかしかない。寒いキャラが乱発されても困る。

B級グルメも、デフレ化時代に、手の届く価格の料理を提供したいという意図ならよくわかる。ただ、率直に、地域の特性がないもの、いかにも新たに創りましたというものを提供されても困る。そして、ぶっちゃけ、あまり美味しくない。いや、不味いとは言わないが、わざわざ食べるほどの味かと思ってしまうのだ。それなら、地方のもともとある名物を納得のいくかたちで提供して欲しいのだ。

ビジネスというのは、価値の創造、提供と継続的な利益の追求だが、そもそもそれは人間のお金と時間をどう奪うかというゲームである。この手のものは認知、定着させるまで時間がかかる。それを自治体はわかっているのだろうか。まあ、あえて上手くいかないものをやっているからこそ、それを認知させるために告知が必要で、広告代理店などが儲かるという仕組みになっているのだろう。

対馬市が、どれくらいこのキャラと、そもそもの町おこしにマジかどうかはわからんが、安易も思えるし、もし広告代理店などに踊らされているとしたならば、実にけしからん話である。

観光地、名産地の非日常感とは、そこに強い日常があるからこそ成立する。とってつけましたという、ゆるキャラやB級グルメではなく、普通に地方を見せて欲しいのである。だいたい、ゆるキャラは、いまや全然ゆるくないというのもツッコミどころだ。

我々賢い消費者は、この手のゆるキャラ、B級グルメに踊らされてはいけないのだ。


今の私の気持ちを、札幌の偉大な先輩、フラットバッカーが歌っている。「ハードブロウ」という曲だ。

「いい加減にしなさいよ、今に痛いめにあうわよ」


心が洗われる曲だからぜひ聴くように。

いやはや、実にけしからん。