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小さいことのようで、衝撃的な出来事。それは、先日もらったバレンタインデーチョコの賞味期限が2月10日だったことである。

ふと立ち止まって考えてみると、奇妙なことである。まず、バレンタインデーは2月14日なのに、それより早くにもらっているということだ。今年は、1月下旬くらいから、仕事や飲み会で女性と会うたびにもらう機会が多かった。そして、バレンタインチョコ自体、2月14日より前に渡すことを想定して作っているということなのだろう。

イマドキのバレンタインデーについて徒然なるままに書くことにしよう。

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いかにもお菓子メーカーや流通の陰謀と言われるバレンタインデーだけど、時代とともに少しずつ変化している。先ほど述べたように、徐々に早期化・長期化していることが特徴だと私は考えている。これはクリスマスと極めて似ている。消費意欲を高めるためなのだろうけど、最近ではハロウィンが終わって、11月に入ったら、クリスマス風のデコレーションが街や店舗に広がるような。

バレンタインデーもまったく同じで、初売りやバーゲンが終わったら、もう商戦が始まる。渡す日も、2月14日とは限らない。それが行き過ぎたのか、冒頭にふれたように、2月14日より前に賞味期限がきてしまうチョコまで登場する始末である。まあ、チョコも最近は、高級系、生チョコ系は賞味期限が増えているわけなのだけど。

また、本命チョコ、義理チョコの他、同性同士で贈る友チョコ、家族に贈るファミチョコ、お世話になった方に贈る世話チョコなるものも登場している。さらに、本命チョコ、義理チョコにおいては、思わせぶりな本命風義理チョコ、いじらしい義理チョコ風本命チョコなど、それぞれの中でも多様化しているようだ。

この早期化・長期化、用途の多様化というのは、まさに市場を広げるための工夫とも言える。

もうひとつの問題は、チョコ格差である。先日のこのエントリーにも書いたので、ご一読頂きたい。おかげ様で、ヤフトピをとった。新年初ヤフトピだ。

NEWSポストセブン|非正規雇用者「職場のチョコ格差が不愉快」の声高まっている

モテ、非モテだけでなく、職場の構成員が多様化する中、どこまでがチョコをわたす(もらう)対象となるのかは、いま、そこにある問題である。

実際、サラリーマン時代を振り返ってみると、職場の仲間というのは実に多様化していた。正社員(その中での年次、役職があり、当然、年収も違う)、契約社員、派遣スタッフ、アルバイト、業務委託の個人、常駐しているパートナー企業の社員・・・。

どこまでが渡す対象なのだろう、気遣いが大変だし、出費も大変だ。

先日、Podcast陽平天国の乱の第27号で、バレンタインデースペシャルをやったのだが、なかなかの反響だった。iTunesで確認したところ、Podcastのカテゴリ別ランキングで1位になっていた。

中でも、冒頭に読み上げた、革命的非モテ同盟から届いた声明文は、ネタのようで、実に衝撃的だった。引用する。

本日お集まりの労働者、学生の諸君!!
私が革命的非モテ同盟 革命評議会議長マーク・ウォーターである!
我が革命的非モテ同盟は最低限度の文化的生活と幸福追求権に則り、非モテの明るい未来を創造すべく、クリスマス粉砕デモ、バレンタインデー粉砕デモ、ホワイトデー粉砕デモを行っている団体である。

諸君!諸君の中にはバレンタインデーに一つもチョコレートがもらえないと嘆いている者もいるかもしれない。しかしよく考えて欲しい。

嘆くべくはチョコレートを貰えぬ己自身ではなく、バレンタインデーにチョコレートを贈ることを取り決めた資本家たちではないだろうか!

昨今、ブラック企業問題が明るみになったことからも分かるように、自己責任主義の見直しは社会問題として自明となっている。

同様に我々は自由恋愛競争主義の敗北者が、自己責任主義によって己ばかりを責めるのは大いなる間違いであることを主張してきた!

バレンタインデーなんかいくらやったって無駄だ!!!

今一度この悪徳チョコレート資本に支配されているこの国の状況にNOを叩きつけ、反革命的なバレンタインデー行事を粉砕し、革命の遂行を進めようではないか!

バレンタインデー粉砕!


彼らは、本日2月12日に、渋谷にてバレンタインデー粉砕デモを決行する。

12月のクリスマス粉砕デモは、参加者がどう見ても15人くらいしかいなかったが、今回は何人集まるのだろう。

それはともかく、ネタのようで、問題提起は素晴らしいと思う。

一方、チョコレート資本なるものが、雇用を生み出していることもまた事実である。また、少子化、高齢化、消費の冷え込みなどが指摘される中、チョコレートは案外しぶとい。それは、すさまじいまでの創意工夫、あるいは力技があるからだろう。

例えば、2020年、東京オリンピックの頃、私たちはどんなバレンタインデーを過ごしているのだろうか。そこにもまた、チョコレート資本とカスタマーの知恵比べがあるのだろう。激しく傍観することにしよう。