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お別れはいつも突然やってきて、すぐにすんでしまう。

大滝詠一さんが亡くなったという。

あまりに急なことなので、驚いた。実際、急死だったらしい。

人生において、あまり聴かないジャンルなのに、ジャケットだけで、欲しいと思い、買ってしまったアルバムがある。少なくとも3枚ある。

Nightfly
Donald Fagen
Warner Bros / Wea
1993-04-21


Donald Fagenの"The Nightfly"

Desireless
Eagle Eye Cherry
Polygram UK
2000-05-25


Eagle Eye Cherryの"Desireless"

A LONG VACATION
大滝詠一
ソニーレコード
1991-03-21


そして、大滝詠一さんの”A LONG VACATION”だ。

このアルバムを買った理由は、実に不純だ。

音に憧れたわけではなく、このジャケットが好きだったからだ(余談だが、私が好きな鈴木英人さんのイラストだと思ったら、別の方だった。なんてニワカなんだろう)。

さらに、評判がよかったからだ。音楽雑誌ですすめられていた。

とはいえ、結局は、ジャケットに一目惚れして買った。今は、アニバーサリーエディションも出ているようなのだけど、このCD選書のアルバムを買ったのだった。懐かしい。

しかし、CDをかけた瞬間、広がる音は実にさわやかで、海とか夏を想起させて、素敵だったことを覚えている。たまに聴きたくなる音だった。

その後、彼が伝説のバンド、はっぴいえんどのメンバーだったこと、山下達郎や大貫妙子が在籍していたシュガーベイブのアルバムを手がけていたこと、佐野元春などともコラボしていたことを知った。後になってから知った。

私にとって、大滝詠一さんといえば、”A LONG VACATION”なのだけど。でも、自分が大好きな音楽のバックには彼がいたんだと、後になって気づいた。

日本のポップスをつくってきた巨人である。ただ、彼のしてきた仕事を私はまだまだ知らない。すごいファンというわけではなかった。ただ、そこに自然に流れているもの、なんとなくその人の音を聴いているということ、これもまたポップミュージックなんじゃないかと思っている。だから、こういう風に「そうか、あれは大滝詠一さんの仕事だったんだ」と後になって思うというのは、人生をポップミュージックに捧げた大滝詠一さんらしいことなんじゃないか、と。

新しい作品が届くことはなくなってしまったけれど、故人の冥福を祈りつつ、偉大な足あとを心して味わい尽くそうと思う。

合掌。