「キャリモテ」の時代
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「常見さん、私たち向けの本を書いてください」
昨日、久々に一緒に飲んだ女性はこう言った。35歳。転職を1回経験している。結婚していて、子供は2人だ。

この日、初めて知ったのだが、私と同様、母子家庭で育ったのだという。お母様は娘を二人、大学院まで行かせたという。

同じ、氷河期世代だ。就活では苦労もしている。旧帝大出身、しかもその中でもトップクラスの大学の大学院卒だったが、企業に呼ばれるたび、セミナーや選考が同期の男性と違うことに戸惑った。

「そうか、女性だと1ランク下がるんだ」
これが彼女の率直な感想だった。



「日本には女性の管理職は、いない」
転職して、再確認したことだった。日本の女性管理職は、係長などを入れても10%程度。もちろん、女性経営者もメディアで取り上げられるが、起業した方が中心であり、サラリーマンで経営者になった女性はほとんどいないのではないか。

今週で男女雇用機会均等法スタートから25年。女性の「量」的社会進出は十分に進んだが、「質」的社会進出はまだまだである。

別に管理職がゴールではないが、そこでキャリアの溝を感じるのは事実。
M字カーブは、30代にシフトしただけでまるで解決されていないし、そこが企業内での熟練の溝をうみ、管理職の壁になる。


女子学生と面談をしていても、採用活動におけるキャリアの壁は感じるという。女性を営業に配属しない企業はまだまだある。


「お嫁さんになりたい」
キャリアセンターに真顔でそう、相談する学生だっている。
これまた、大変なのは言うまでもない。


会社・仕事と結婚・出産・育児に夢や希望を持てない。
いや、夢や希望はつくるものなのだけど、そんな昭和的精神論だけ言ってもしょうがないことはよく分かっている。


若年層の雇用もそうだけど、女性の雇用は、私の重点テーマだな。
今後はこちらのテーマでの執筆、講演も力を入れよう。
政策提案もしよう。

まずは、来期の実践女子大学での講義、白百合女子大学での集中講義から。

そうそう、この本を読み始めている。著者から献本御礼。ぶっちゃけ、大ヒットした『「婚活」時代』(山田昌弘・白河桃子 ディスカヴァー携書)より面白い。いや、『「婚活」時代』も面白かったし、学生にすすめているんだけど。そして、男子こそ読むべきだ。

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