KAGEROUKAGEROU
著者:齋藤 智裕
ポプラ社(2010-12-15)
販売元:Amazon.co.jp
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ふと思い出した。約24年くらい前の今頃、札幌の映画館で『トップガン』を観たことを。まぁ、その後もまるでジブリ映画のように地上波で観たわけだし、DVDも持っているわけだが。トム・クルーズはかっこよかったわけだが。

いや、挿入歌が「愛はかげろうのように」だったのだ。

・・・いま調べてみた。正確には「愛は吐息のように」だった。なんで間違って覚えていたのだろう?「愛はかげろう」という歌もあったわけだけど。


かげろう、陽炎、KAGEROU。


水嶋ヒロが書いたKAGEROUの八百長騒動がスゴイことになっている。レビューもスゴイことになっている。読まなくては批判もできないのだが、これだけひどいと流石に読む気も買う気も起こらない。


切込隊長のこのエントリーがすべてを物語っているような気がする。


妻が今日、立ち読みしたらしい。数ページ読んだが、たしかに、「本人が書いたんだろうなぁ」と思わせるような、瑞々しさがある文体なわけだが、一方で素人っぽさもあるわけで、それを芸術と呼ぶのか、稚拙と呼ぶのかは意見が分かれるところだろう。


今日、会った友人はこう言った。「あれは、片八百長ということなんじゃないですかね?」と。


「片八百長」という言葉を知っているかな?


説明しよう。AとBがいたとする。Aは、この試合は「真剣勝負」だと思っていて準備をしている。Bは、例えば主催者から「負けるように」と言われている。対戦すると当然、Aが勝つ。何かを成し遂げたように喜ぶ。


…なるほど。


裏口入学やコネ入社においても、本人が知っている場合とそうじゃない場合があると言われている。まぁ、出来レースであることは変わらないわけだけど、今回の件は、水嶋ヒロはマジで書いた→実際、ゴーストライターなんかも使わなかった(隊長のエントリーにもあるように、使ったとは思えない出来?)→それが評価されてしまった(評価することになっていた?)。


という感じなのかな?まぁ、一般論だけど。


真相は分からないし、明かされないだろう。知る必要もないのだけど。


で、これまた商業的には大成功してしまったわけだな。うん、ベストセラーだと言って間違いない。ブログでもそうだが、芸能人最強って思ったり。


でも、これで傷ついたのは皮肉にも水嶋ヒロであり、ポプラ社かもね。そして、今の出版の世界における問題である「著者を消費する」構造そのものかもね。うーん、子供に夢と希望を与える出版社が、こんな子供騙しなことしてどうするんだろう。いや、子供に夢と希望を与えるってそういうことか。


・・・これ読んで、読書感想文書く小中学生もいるんだろうな。うーん。


素朴な疑問だけど、水嶋ヒロの次回作は別の文学賞にエントリーしても評価されるのかね?そして、この賞の権威って何なんだろう?格闘技なんかでも、「海外のチャンピオン」という触れ込みで来日して、実際、そのベルトの権威がほとんどなかったということってよくあったけど。ベルトはベルトなんだけどね。「測定可能な世界」の権威って、妙な説得力をうむんだな。


…読まないで反論するのはやめよう。とはいえ、読む気も起こらない。うーん、なんだろう、この気持ち悪い感じ。


いや、最初、このレビューって一時の勝間本みたいに「読まずに評価する心無い人」によるものだと思ったのだけど、さすがにガチっぽい。


…やっぱり読もうかな。ある意味、私が水嶋ヒロを知ったキッカケの『仮面ライダーカブト』でのKYなキャラを思い出してしまった。そう誤解される水嶋ヒロ先生は本当にカワイソウかもしれないな。


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