渋谷ではたらく社長の告白 (幻冬舎文庫)
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「ベンチャー企業とは何だろうか?」

ここ数日、ずっとこんなことを考えていた。

キッカケは3つある。

1つ目
サイバーエージェント藤田社長のブログのこのエントリーだ
ほとんどの新規事業は失敗する
なるほど。
厳しいなと思いつつ、正しいと思う。まぁ、短期的にジャッジされるのはどうかと思うけど、でもそうジャッジせざるを得ないよな。そして、ベンチャービジネスにはロマンとソロバンが必要なのだ。

2つ目
たまたまTwitterで発見したこの合同企業説明会の件だ。
東京大学学生経友会主催のベンチャー企業合同説明会だ。
参画企業に注目…。
そうか…。これらの企業ってベンチャー企業だったんだ。
いや、後述するが、ベンチャー企業だと感じる企業もあれば、まったくそう思わない企業もある。
少なくともリクルートはベンチャー企業と言えるのかな?

ふと思い出した。リクルートに内定したことをお世話になった先生に報告したときのことだ。
「おれ、ベンチャーに行きたいと思ったので、リクルートに決めました!」

先生は言った。
「お前、あの会社の、どこがベンチャーなんだ?もう立派な大企業だろ!」
私をこう叱ってくれたのは米倉誠一郎先生だった。

そういえば、私はR社の第38期入社だ。うん、数年以内に倒産する企業が多い中、だいぶ長く続いた会社に入ったわけだね。

3つ目
会社の研修だ。
半年に一回の全社研修があったのだ。
従業員数10名以下。オフィスはフロアをパーテーションで分けて3社でシェアしている私たちは中小企業どころか零細企業である。

そして、ベンチャー企業だ。厳密にはベンチャー企業のはずだ。

しかし、待てよ。
どんな新しい価値を提供しているのか。ふと自問自答したりする。

私たちに期待されていることは何か?出来ることは何か?やりたいことは何なのか?
考えたりする。

うーん、深い。

新しいことをやりたい。世の中変えたいとか思いつつ、実は無難な仕事をしていないかとか、考えてしまったのだった。



改めて、ベンチャー企業とは何だろう?
中小企業とは何かは、実は商法で定義されているのだが、ベンチャー企業の明確な定義はありそうでない。
そもそも、この言葉自体、元々は和製英語だということに最近気づいた。グローバルスタンダードもそうなんだけどね、実は。

調べてみた。

大辞泉では「新技術・新事業を開発し、事業として発足させた企業。」という定義が載っている。

ウィキペディアの日本語版には「新技術や高度な知識を軸に、大企業では実施しにくい創造的・革新的な経営を展開する中小企業を指す。」とある。

なるほどね。



…この段階ですでに、「ベンチャー企業」という言葉に対するイメージと、これらの言葉の定義にギャップを感じないだろうか?



ベンチャーと言いつつ、果たして「新技術」や「高度な知識」をウリにしている企業はどれだけあるんだろう?実は大企業がやっていることを、安くスピーディーにやっているだけの企業もいっぱいだったり。

そして、ビジネスモデルがない企業(あるいは、優れていない企業、独自性、優位性がない企業)もいっぱいだと思ったり。


ロック小僧的に言うならば、これは音楽のジャンルと近いなと思ったりする。ヘビメタとハードロックの違いとは何なのか(一応、定義のようなものはあったりするが)。オルタナティブも結局ロックなのではとか。


うん、申し訳ないけど、今のリクルートとかは膨張した大企業だと思ったりする。数年前、異業種交流会で会ったR社の若者に、先輩風を吹かすわけでもなく、さりげなく「最近、どうなんですか?」と聞いたら「ウチの会社は大きいので大丈夫です!」と答えられて、もう終わったなと思ったり。でも、世の中ではまだまだベンチャー企業だと思われているんだな。


いや、昨年、自戒を込めて『元リクルート社員は本当に優秀なのか?』という企画を某大手出版社に持ち込んだのだが、そのとき言われたのは「いやー、常見さん、R社さんってどんどん新規事業を生み出していると思われていますよ。OB・OGもベンチャーをたくさん立ち上げていますし…」と言われた。うーん、そうかな?まぁ、世の中からのイメージはそうかもしれないし、Typical Japanese Companyに比べたらそうなのかもだけど。



そして、この合同企業説明会の参画企業も「ここってベンチャーなのか?」と首をひねりつつも、世の中的にはどちらかというとベンチャーなのだろう。いや、よくよくみると創業して10年をこえている企業もいっぱいだし、従業員数も1,000人をこえていたりするんだよな。上場していたりするし。

これらの企業もジレンマを抱えている。若い企業だと思われつつも、実際老けていたり。実際、「上場企業だ!」と思って入社してくる人もいる。

でも、逆に社内外に「ウチはベンチャーだ!」と発信しまくって、社内を鼓舞したり、株主向けのイメージを創り上げている会社もあるんだな。



うむ。



個人的に思うのは、ベンチャー企業かどうかというのは、ステークホルダーがそう思うかどうかに尽きると思う。昨日、Twitterでご指摘頂いたのだが、任天堂は「天に任せる」という点や、実際新しい価値を提供しているのでベンチャーだし、アップルも間違いなくイノベーティブな商品を作っているので、そうなのかもしれない。間違いなく大企業なのだけど。


うん、どう思うかに尽きるよな。


そして、自分たちのレゾンデートルは常に問い直すべきだし、発信するべきだと思ったり。


新しい価値を創造することにとことん貪欲になるべきだと思ったり。


でも、新しい価値を生み出すのは、突き詰めると企業においては当たり前だよな。仕事とは価値の創出と提供であり、それにより対価を得る行為なのは変わらない真実だと思う。



個人的に感じたのは、ベンチャー企業の一従業員として、新しい価値の創造にとことんこだわること、大手企業ではできっこないことにこだわること、スピードとギラギラを大切にすることが大事かなと思ったり。



ビジョン、ミッション、バリューを明確にすることもそうかな。



そして、ロマンとソロバン?


あとはビジネスモデルの独自性と経営者の資質?いや、これってシリコンバレーのVCが出資する際に必ずみるポイントなんだって。


矢沢永吉的なアスピレーション?うん、こんな熱い言葉を大事にするべきだと思ったり。また藤田晋さんのブログだな。このエントリー、大好きで何度も読み返した。

そんなことを考えていたのだった。結論は一つ。新しい価値の創造、世の中を変えたいという幕末のテンション、スピードとギラギラ、正しいと思ったことをマジでやること、言い訳禁止でやりきること、発想を柔軟にすること、ずっと若いこと。


そんなことを感じたり。



…まとまりがなくてごめんね。



というわけで、今日は会社の研修→懇親会→学生と飲みだった。いちいち新鮮。研修は、厳しい現実、やろうと思ってできていないことに向き合ったり、自分自身の力のなさを感じたりした。でも、やるしかないな。うん、言い訳禁止で会社のことをやりきろう。頑張る。


今日のオススメアイテムはこれ。藤田晋社長、大好き。うん、志の高さを感じる本。


『くたばれ!就職氷河期』は絶賛発売中。今日は朝日新聞、毎日新聞に登場し、さらには日刊ゲンダイに書評が載ったのだった。嬉しいな。ますます広がるといいな。


明日は大御所2人と某誌の新年号の企画で鼎談。…私なんかが参加していいのだろうか?頑張る。そして、恩師との再会も。楽しくいこう。

おやすみなさい。愛しています。
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