青が散る〈上〉 (文春文庫)青が散る〈上〉 (文春文庫)
著者:宮本 輝
文藝春秋(2007-05)
おすすめ度:4.5
販売元:Amazon.co.jp
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火曜日。

なんか、今日も二日酔い。朝から原稿を何本も書き、出社。昼は某出版社と打ち合わせ。元々この会社の人事部長とは3年くらい前に人事関連の異業種交流会でお会いし、その後、可愛がって頂いているのだ。新卒一期生が作った本について、豪華ランチしながら、率直な意見を伝える。

午後中は大移動して東海大で2年生向けの講演。うん、思ったことを思ったように伝えたかな。

新宿に移動し、社長と妻と3人で会食。やっと紹介できた。よかったよかった。



ところで、リクナビの7つの約束についてだ。昨晩、TwitterのTL上で見かけて、強烈な違和感があったのだけど、今日は日経に見開きで広告が出ていた。お金かけているだろうな。

今回は出来るだけ、感情的な部分を排除して、出来るだけ客観的に論じよう(…結局、感情的になったが)。

今回のこの7つの約束について。総論では評価せざるを得ないだろう。日本の就職を歪めているとか、マッチポンプだとか揶揄されてきたリクルート自身がこのような宣言をすることは、潔いというか、清々しいと言えるだろう。

正直なところ、最初に読んだときは「嘘つき」「偽善」という想いがあったのだが、「これからはこうします」という意味の宣言だから、まだ許せる。

そして、宣言した各項目について、多くの人が総論では賛成と言うだろう。

ただ、正直なところ、違和感というか、気持ち悪さがある。

まず、この宣言で述べられたようなことは、意識の高い学生や、大学関係者や、志のある人事担当者、さらにR社やM社的な人材ビジネスのあり方について気持ち悪さを感じていた人材ビジネス関係者なら誰もが考えていたことである。

それこそ、私の知っている志のある採用担当者たちは、いかにリクルート的なやり方に飲まれずに、現場レベルで何とかできないか、具体的に考え、議論してきた。私もそんな飲み会によく参加した。採用予算が削られ、ましてや人事部のスタッフも少なくなる中、青臭いことを論じ、「世の中変えよう」と思っていたのだ。

そう考えると、日経に見開き広告を出せる経済力にモノを言わせていいとこ取りされたという感は否めない。いや、負け犬の遠吠えに過ぎないのかもしれないが。

そして、自分の今までの5年間は何だったのだという虚しさに襲われたのだった。数々の批判にさらされつつも、日本の就活・採活を何とかしようと悪戦苦闘してきたのだが、そうか、結局マス広告には勝てないんだと思ったのだ。

身を粉にして、途中、心身ともに健康を崩しつつ、私のやってきたことは何なのだろう?と思ったのだ。

いや、魂はあるさ。心はあるさ。まだ心は折れていないし、闘うつもりなのだが。

そして、宣言と施策、さらにはその実行状況の乖離については違和感を抱かざるを得ない。うん、いま出ている具体的な取り組みがイマイチすぎると思うのは私だけだろうか?例えば、寒いアセスメントでミスマッチは解消されるのだろうか?学生の勉強する機会を確保すると言いつつ、大学の勉強の実態を分かっているのか?

さらには、「学業の機会を守りたい」とポーズでは示しつつ、いわゆる青田刈りに走る企業に対して、どう対応するのか?

かなり乱暴に言わせて頂くが、極論、倫理憲章を遵守しない企業は掲載しないくらいのことをする勇気、覚悟はあるのだろうか。まぁ、採用時期に関して時期を縛れば救われると言う人の多くは素人なので、そこに従う必要はないとは思いつつもね。

今回、TL上で行われた茂木健一郎氏との馴れ合いにも近いやり取りにもウンザリした。そして、現場の最前線にいる立場から言わせて頂くと、リクナビ編集部も茂木健一郎氏も新卒採用のこと、もっと言うと学生のこと、そして学生の考えていること、吸う息、吐く息を分かっていないことが可視化されてしまったのが皮肉な自体だと言えるだろう。結局、新卒一括採用を否定することは、神様スペック人材しか認めないということなんだってば。



ただ、茂木氏は悪気はないんだと思う。その言葉の端々に優しさや、ある意味不器用なのだけどピュアな気持ち、さらには憂国の気持ちが感じられるからである。


いや、たしかに茂木氏やホリエモンが論じる、飛び級も含めて上位層を育てるという方針は間違ってはいないようにも思える。


ただ、新卒一括採用を否定すると、若者が救われるというのは間違いなんだってば。


ある意味、カワイソウなのは、リクルートの現場の担当者からは私を慕って新卒採用に関する相談を水面下でしてきてくれていることである。「常見さん、最近の学生の動きについて教えてください」と。私はそのような方には誠心誠意で対応する。ある意味、恥をかなぐり捨てて相談してきてくれていることに、志を感じるからだ。



そして、これは彼らにとって敗北宣言である。学生のことを何より知っていることがリクルートの強みではなかったか?ましてや、メディアプロデュース担当から学生に関する十分な情報がないなか、営業せざるを得ないリクルートの営業マンはカワイソウと言わざるを得ないだろう。


私は最近、虚しさを感じている。いや、魂は死んでいない。でも、今回の件を含め、偽善新卒採用救済策が議論されているが、申し訳ないがそんなことを論じている奴らよりずっとずっと学生に会い続けている私からすると、学生の顔を見ていない議論だと言わざるを得ないのだな。



採用時期の問題にしろ、卒業後3年は新卒の権利とするというのも、現場にいる当事者からすると「それでは若者は救われない」んだな。そして、大学のあり方についてもメスを入れなくては。まぁ、大学の中身がイマイチだとしても、学ぶ権利は守りたいと思うけど。



うん、最近の新卒一括採用見直し論の暴走ぶりは、もしこのまま進めば10年後、それを推進した論者は批判されまくるだろうな。まるで、風の谷のナウシカやターミネーター2の1シーンのように、「それじゃだめー、きづいてー」と叫びたい気分だ。



宣伝をするわけじゃないが、最新作『くたばれ!就職氷河期』では、現場視点で「それで若者は救われるのか」という視点を込めつつ書いたのだ。ある意味、憂国の書であり、救国の書である。


今日、嬉しかったのは、文科省の官僚がこの本を読んで、感激したと感想メールを送ってきてくれたことだ。嬉しくて、何度も読み返した。実は高校の後輩だったのだが、こんなカタチで再会できて感激。


うーん、身を粉にして頑張っても変わらない現実に虚しさを感じつつも、使命感を元に、明日からまた生きるのだ。



試行錯誤をサボらずに、現場視点で考えよう。これは、私の、ミッションだからやると決めたらやり切る。うん。


今日のオススメアイテムはこれ。東海大学の講演で「常見さんがオススメする本はなんですか?」と聞かれて、オススメした作品の一つ。文句なしの青春小説の傑作。


さぁ、明日からまた頑張ろうか。

おやすみなさい。愛しています。
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